saludo a la primavera

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寒中お見舞い申し上げます。 「寒という字に金石の響あり」−虚子− 凍てつく音が聞こえてきそうな今朝の由布院は−3℃。しかし足元を見れば春が近づいているのを感じます。 昨夏に整備した駐車場の脇、藪を切り開いたところを、当宿の有志達が開墾し種を蒔いた段々菜の花畑に芽が…brote verde!今春の空想の森周辺には、また新たな彩りが花を添えることでしょう。 思えば、杉山を切り開いた後に雑木が点々としていた創業時の景観も、今では背景の由布岳と重なりながら蒼々とした林の姿を見せてくれるようになりました。本館とTan's barの間も、生い茂った熊笹を刈り数年をかけて苔の碧さが馴染んできました。 日々小さな事を、人の手を入れて積み重ね、何年も経て自然に成っていく。Las cositas va a canbiarse a la naturaleza.みんなの手に感謝しつつ、想像を超えた経年変化を愉しみにしています。 de parte de COZO SHIOTANI/sub manejador

新年明けましておめでとうございます。

皆様 、新年明けましておめでとうございます。
旧年中お世話になりましたお客様、地域の方々、お付き合いのある業者様、
全ての方にこの場を借りてお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。
 
湯布院は雪のお正月を迎えております。
 
新年を迎えこの白銀の世界のように心を真っ白にして初心に帰り、新たな気持ちで仕事を始めたいと思っています。
そこで本日は私どもの経営理念をご紹介したいと思います。
 
「感動を通して社会に貢献する」
 
これが私どもの経営理念です。
ここ山荘無量塔には日々、様々なお客様がお越しになります。
お帰りになれば皆様、それぞれの社会や地域、職場や家庭でそれぞれ大切な役割を担ってらっしゃいます。
私どもがご提供できる感動は決して大袈裟なものではありませんが、先代が築きあげた美しい里山の風景を守り、
常にお客様の思いと寄り添い、手間と時間を惜しまずお客様が快適にお過ごし頂ける環境を整え、美味しい料理と
温泉をご提供し、短いご滞在時間を心満ち足りる「上質な時間」にすることでそれぞれのお客様が日頃の疲れを癒し、
明日への活力を蓄える。
そうすることでお帰りになったお客様がそれぞれの社会や地域、職場や家庭でまた新たな気持ちでご活躍される。
こうすることで私どもは直接的に社会に貢献できることは出来ないですが、間接的に日本中、世界中で社会に貢献することが
出来るのではと考えています。
 
今年一年、また新たにお見えになるお客様を通して社会に貢献できることを願って日々精進して参ります。
これからも変わらぬご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
 
最後に先代が我々スタッフに残したメッセージをご紹介して新年のご挨拶とさせて頂きます。
 
山荘無量塔スタッフを代表して
支配人 木部 賢一
 
 
 
1983年、私の満31歳の年。秋。
 無量塔は、金鱗湖のそばに、20坪ばかりの小さな茶寮として出発いたしました。
頭の中だけで料理を想像し、包丁ひとつ研げないそんな無謀な出発でした。
今、思い返してみますと、随分無茶な事、冷や汗ものだったと、そのように思われます。
“好きな由布院で、自分というものを確かめてみたい。”このような思いが不安よりも勝っていたからこそできたことなのかもしれません。
爾来9年、この小さな作品は多くのものを与えてくれました。又この由布院という土地が、志の有る方々との出会いをつくってくれました。私の人間形成にどれほどの影響を与えてくれたかはかり知れません。
 
このような歩みのなかで、1992年。秋。
私にとりまして始めての山荘を創ることができました。
 この計画を進めていた、1987年から1991年は、バブルの絶頂であり、又、リゾート法の制定で国中がリゾート一色という状況の真っ只中でした。そのような状況の中、私が想いをめぐらせましたのは、作品を創るとか、事業を興こすとかいうことではなく“今、人の営みが問われている”ということでした。
 この山荘は、景観をはじめ設備面など、まだまだ未完の状態です。ここは元来、杉と桧の植林された山でした。木を伐り、山をけずりと人の手を入れたわけですが、沢山の落葉樹を植えることによって元の自然よりももっとすばらしいものができるはずだと信じて計画を進めました。初めての挑戦という事もあって、設備面など稚拙な面が沢山有ります。又、私を筆頭にスタッフ全員の未熟さも手伝って毎日が失敗の連続です。
 
今、私どもは“感動を与える事によって社会に貢献しよう”という大きなスローガンをかかげ、仕事に取り組もうとしています。
 
先日、高野悦子女史より「娯楽はリクリエイションという。その意味は、リ・クリエイト。つまり再創造ということであり、これが娯楽の本質である。だから本当の意味での娯楽は、人々に再創造するエネルギーを与えるものでなくてはならない。憂さをはらすのも娯楽だが、深い感動によりさらに明日への生きる意欲、力をおこさせるものが真の娯楽である。」そのような意味のことを教わりました。
 この山荘は、古民家の再生(リ・クリエイト)ということを出発の基本にしました。
ハードとソフトの違いはあれ、同じ「リ・クリエイト」。女史の言葉により、宿というものも、もてなしや癒しという一面だけで語れない深い大きなものを内包した仕事だと気付かされました。
 このすばらしい仕事に携われることを誇りに思い、自分の力と足元を謙虚にそしてしっかりと見据え、歩んで行こうと気を引き締めています。
 
この山荘は、私、そしてスタッフ全員にとって人生の学舎なのかもしれません。
“きっとここで多くの方々と出会い、成長させてもらえる”
“5年先、いや10年先に又、違った作品を創る勇気と力を与えてくれる。”そう確信しています。
 
合掌。
 
1994年、春、藤林晃司


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無量塔

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